ちょっと良い話


貴賓席で行われた表彰式で事件が起きました。この大会の予選リーグからキャプテンを任されていた中地舞選手が優勝カップを受け取り、続いてMVPの発表がありました。アナウンスされたのは「近賀ゆかり選手」。

すると、間髪いれずに、酒井與惠選手が「ない!ない!」の声。ほとんどの主力選手たちが、その選出に抗議をしました。
「ないよ!ないよ!ありえない!!」
「だって2試合しか出てないよ!」
「ちがうよ、(準決勝は途中交代だから) 1試合半じゃん!!」
スタンドから見ていらした皆さんにはわからなかったかもしれませんが、なかなかMVP表彰が行われなかったのは、このような一幕があったからです。

なでしこジャパンのメンバーとして準決勝から参加した酒井與惠選手は、同じく準決勝から参加した近賀ゆかり選手よりも、予選リーグからチームを支えてきてくれた選手の中からMVPを選んでほしかったのです。大会役員たちの前で、チームのみんなが、同じような気持ちで抗議(といっても笑顔での抗議でした)する姿に、私は胸を打たれました。本当にいいチームです。

やっていた選手達が自らそう声を発したというのがとても嬉しいし、そんな選手達を応援できるという喜びを感じた記事でした。