寝耳に水


 ヤクルトの来季監督候補として、今季限りで日本ハム退団が決定的な高田繁GM(62)が急浮上したことが28日、明らかになった。球団は古田敦也監督(42)の後任はOB中心に人選を進めてきたが、高田氏の退団が確実となったことで候補に検討。GMとして日本ハムを常勝球団に変えた手腕を高く評価している。球団、本社で一本化され次第、シーズン終了を待って就任要請に動くことになる。

 ヤクルトの来季監督の人選に大きな変化が生じたのは、高田氏の今季限りでの退団が確実になった23日以降のことだ。これまで西武・荒木大輔投手コーチ(43)を最有力候補にOB中心に進めてきた一方、巨人OBで日本ハムの監督、GMを歴任した同氏を新たな候補に検討。低迷するチームの改革を託すにはうってつけの人物と推す声が高まっている。

 球団では古田監督の去就問題が表面化した8月から、同監督の慰留に失敗した場合に備え、水面下で来季の監督候補を模索してきた。OBの意見などを広く聞く中、候補の1人に名前が挙がっていたのが高田氏だ。同氏は85年から4年間、日本ハムの監督を務め、古巣の巨人では長嶋政権下で外野守備走塁コーチ、2軍監督などを歴任。04年11月に日本ハムGMに就任後はメジャーにならった独自の組織の中、若手育成の強化方針にのっとってらつ腕を発揮し、常勝球団に押し上げた。

 強化と育成。この2点をチーム改革の課題とするヤクルトは、その両面を兼ね備える手腕に着目していた。ただ、この時点で高田氏は日本ハムGMに在任中。しかも、チームは優勝争いの最中とあって人選の対象からは外れていた。それが23日に今季限りで退団が表面化したことによって情勢が一変。この日、鈴木球団社長は後任監督について「OBが筋なんだろうが、OBだけ(を候補にしている)というわけではない」と話し、OB以外に候補が挙がっていることを示唆した。

 鈴木社長は後任監督の条件として「監督(の業務)だけでなく、補強や育成など、フロント(の仕事)にも対応してもらいたい。監督経験はあった方がいいが、とにかく低迷を打開してくれる人になってほしい」と話している。この条件をすべて満たすのが高田氏。さらに加えて、昨年から「東京」を球団名に入れたヤクルトだけに、札幌移転間もないチームを地域密着型で成功させた点も高く評価している。

 ヤクルトは今後、球団と本社で候補の一本化を急ぎ、その上で高田氏の日本ハム退団が正式に決まるのを待って就任要請に動く方針。高田氏に近い関係者は「現場復帰に意欲を持っている」と話しており、日本ハムで指揮を執った88年以来、20年ぶりの監督復帰となる可能性は十分にある。

正直複雑ですね・・・。