サポの総意


 川崎FのサポーターがJリーグに対する“抗議行動”に打って出た。30日、ホームで行われた甲府戦で約3000人の署名が入った「我々は裏切られていません」という横断幕を掲げた。9月23日の柏戦でメンバー8人を入れ替えた川崎Fを「サポーターへの裏切り」と批判したJリーグ幹部に反発したもので、1日にはその横断幕をJリーグ側に渡す予定だ。試合は9月26日のセパハン戦でPKを外したMF谷口博之(22)の同点ゴールで1―1と引き分けた。

 川崎Fの武田社長がJリーグの鬼武チェアマン、犬飼専務理事ら4人と会談したのは9月28日のこと。「やむを得なかったと判断している」という鬼武チェアマンの言葉で事態は収束したかのように見えたが、川崎Fサポーターは納得していなかった。

 ACL敗退が決定した同26日のセパハン戦では、犬飼専務理事がリーグ戦での選手入れ替えを批判して「サポーターを裏切ったことへの説明を求める」「リーグ戦を投げた」と発言。スタジアムの2階席には「犬飼さん、我々は裏切られていません」と“犬飼発言”への反論が堂々と掲げられた。

 20メートル×2メートルの巨大横断幕はサポーターの中心グループ「川崎華族」が作製。リーダーの山崎真氏は「犬飼さんがサポーターの気持ちを代弁しているかのように話をしているのが納得いかない。少なくとも川崎サポはチームのユニホームを着てピッチで戦っている選手がベストメンバーだと思って応援している」と説明。試合前に会場で署名活動を行って、約3000人が同意のサインをした。署名が書かれた横断幕は後半20分に外したが、それも、坂村マッチコミッショナーがかけた「気持ちは分かったから外してくれ」という“同情”の言葉に納得したから。Jリーグ側への不満は消えておらず、1日には代表者が横断幕をJリーグに届けるという。

 犬飼専務理事は発言以降、表舞台に出てきておらず、山崎氏は「Jリーグのサポートには感謝しているだけに、犬飼さんの発言はショック。話をしてほしい」と説明を求めた。Jリーグ側でも今週中に、サポーターと話し合う方向で調整しているが、円満解決にはまだ時間がかかりそうだ。

これに犬飼氏がどう答えるのか注目してます。