沢村賞
あとは屋外でも室内での安定感があれば完璧ですけどね、全項目基準値をクリアしている訳ですから、素晴らしい事です。
プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会が29日、東京都内のホテルで開かれ、パ・リーグを2連覇した日本ハムの原動力となったダルビッシュ有投手(21)が満場一致で選出され、初受賞した。日本ハムからの受賞者は初めて。今季のダルビッシュは26試合に登板し、3完封を含む自己最多の15勝(5敗)を挙げて210三振を奪い、自身初タイトルの最多奪三振を獲得。防御率も1.820で、最優秀防御率の成瀬善久投手(ロッテ)とは0.003差の2位だった。
同賞は先発完投型の本格派投手が対象。選考基準は15勝、防御率2.50、200投球回、10完投、150奪三振、登板25試合、勝率6割の7項目で、ダルビッシュはすべて上回った。現行基準の7項目を全部クリアしたのは1993年に受賞した今中慎二(中日)以来14年ぶり。
選考委員長を務めた土橋正幸氏(元日本ハム監督)は「ピッチングに力でねじ伏せる力感がある。12球団を代表する投手になった」と称賛した。
<「どの賞よりもうれしい」>「最多勝や防御率、どの賞よりも自分の中ではうれしい」。ダルビッシュは、初の栄誉に笑みを広げた。
タイトルは奪三振だけだが、抜群の安定感で日本ハムを初のリーグ連覇へ導いた。
最も胸を張るのが両リーグトップの12完投。沢村賞を「むちゃくちゃ体力のある鉄人的な投手が取るもの」と語る自らが、まさに大黒柱の活躍を見せた。
昨季までは終盤に肩に痛みが出たが「今年はキャンプからしっかり練習し、シーズン中も継続してきたのが良かった」と成長を実感している。
日本シリーズ第1戦で、完投勝利を挙げた21歳右腕。球団としての初受賞も喜びながら「次の登板へ心境の変化はない」。第5戦以降に控える登板と、連続日本一へ視線を向けていた。