ダメだこりゃ・・・。


 日本ハムは6日、高校生ドラフト1巡目の大阪桐蔭中田翔外野手(18)と大阪市内のホテルで入団交渉。契約金1億円+出来高5000万円、年俸1500万円で仮契約した。席上、山田正雄シニアディレクター(63)=次期GM=が、中田を小・中学校時代に経験のある捕手に挑戦させる構想を披露。捕手出身の梨田昌孝監督(54)によるダルビッシュ有投手(21)との黄金バッテリー結成が見えてきた。

 オリックス阪神ソフトバンクとの競合を経て日本ハムに指名された中田が、ついに仮契約。最高条件の提示を受けた怪物は、期待の大きさに身を引き締めた。

 「あそこまで『0』が多い数字は見たことがなかったのでビックリしました。それだけ評価されているので、最初から試合に出て期待以上の結果を残したいです」

 高校生No.1バッターが、即戦力となる意欲を改めて示した。日本ハムの今季チーム本塁打は73本で12球団最少。梨田監督も、長打力強化をパ・リーグ3連覇の最重要課題に挙げている。山田シニアディレクター(SD)も「球界を代表するホームランバッターになってもらいたい」と大きな目標を掲げた。

 さらに、山田SDは仰天プランを明かした。小・中学校時代に経験があるということを知って、中田を捕手に育てようというのだ。「肩も強いし、捕球も柔らかい。個人的には捕手をやってもらいたいですね」。高橋、鶴岡、中嶋が交代でマスクをかぶっている捕手陣に、不動の女房役を作りたい−。山田SDも外野手としてプロ入りしながら、一塁手と投手としても出場した経験があるだけに、このコンバートに乗り気なのだ。

 プロ入り後の捕手転向は異例だが、名捕手だった梨田監督の直接指導にも期待できる。本人は三塁転向を希望。それでも「試合に出してもらえるなら挑戦したい」と前向きな姿勢を見せた。ダルビッシュ、吉川ら若手育成に定評のある日本ハムだけに「捕手・中田」も可能に思える。

 そうなれば、夢が広がる。エースのダルビッシュとの“黄金バッテリー”結成だ。現在日本で最高の投手と、最高の素質を持つ長距離打者がコンビを組む。かつて一世を風びした阪神の江夏−田淵らに匹敵する組み合わせになることは間違いない。その特訓を予想したかのように中田も肉体改造中。毎朝ボウル1杯分の野菜を食べ、体重を107キロから7キロ減量。春季キャンプまでに「ベストの95キロまで絞る」と宣言した。

 「新人王を頑張って取りに行きたい」。最後は力強く宣言した中田。無限の可能性を秘めた18歳が、誰もが想像しなかったほどの進化を見せる。

(星直樹)

中田翔に聞く
――今の心境は
 「ほっとしています。うれしいの一言です」
――日本シリーズは見たか
 「選手ひとりひとりが楽しそうに野球をやっている。早く一緒にやりたい」
――契約金の使い道は
 「全部親に預けます。1年目は野球に集中したいので」
――それはお母さんに自由に使っていいよ、ということ?
 「それはまた別です」
――1年目の目標は
 「清原さんの31本(塁打)と比較してもらっていますが、すごく大きな数字。とにかく何も考えず、自分の力を精いっぱい出すだけです」
――北海道のファンに
 「テレビで見て、温かいファンが多い印象です。早く応援されるよう頑張りたいです」

■主な捕手転向
 入団即転向は96年広島入団の伊与田一範。千葉経大付高時代の投手兼外野手から転向したが、一軍出場はなく00年に外野手に戻った。95年巨人入団の織田淳哉も96年終盤に投手から捕手転向したが、99年には投手に再転向した。出場数が多かったのはダイエー(現ソフトバンク)の内之倉隆志。鹿児島実高から91年に内野手として入団し、94年から捕手登録。96年から02年まで捕手として74試合に出場した。有名なのは36年セネタース入団の野口明。中京商時代に捕手を経験、明大(中退)では投手だったが、プロ入り後は内外野も守り、49年の中日移籍後に正捕手として活躍した。


北京五輪出場に意欲
 中田は「精いっぱい力を発揮して、そういう大会にも出てみたい」と北京五輪出場に意欲をみせた。今夏、甲子園に出場できなかったため、日米親善野球の日本代表に選出されなかった。そのため、国際大会への思いが強い。現状では厳しいが…。


★背番号は?
 「本人の希望を尊重したいので、大学生・社会人ドラフト(11月19日)後に決めることになる」と山田SD。現段階では「6」が有力だ。生え抜きの田中幸が付けていたが引退に伴い空き番号となる。“ミスター・ファイターズ”継承の期待も込め、球団側が提示する可能性は高い。

なに、捕手コンバートって・・・。orz