時期さえ除けば大歓迎


 なでしこジャパンに衝撃が走った。来年の北京五輪出場が決まっている日本女子代表大橋浩司監督(48)が、年内で退任することが濃厚になった。五輪へ向けた強化方針で日本協会と意見の違いがあったものと見られ、契約が切れる年内で退任する見通し。五輪まで1年を切っており、監督が交代すれば本大会への影響は避けられない状況となった。

 2大会連続出場となる五輪に向け、順調にステップアップしてきたなでしこジャパンにとっては衝撃の事実だった。複数の関係者によると、大橋監督は年内で切れる契約を更新しない意思を固めており、今月中にも日本協会から退任が正式発表される見通しだという。04年アテネ五輪後から指揮してきた大橋監督が、本番まで1年を切った時期になでしこを去るという異常事態となった。

 大橋監督は、8強入りしたアテネ五輪後の04年11月に上田栄治前監督の後を継いで2年契約で監督に就任した。昨年末に1年間、契約を更新し、今年は五輪予選とW杯を同時に戦う難しい状況の中で日本代表を指揮。五輪予選は見事に通過したが、強豪ドイツなどと同組となった9月のW杯で1次リーグ敗退した。

 常に「世界に通用するサッカーを」と選手に訴え続けてきた大橋監督。アテネ五輪以上の成績を北京五輪で出すため、フィジカルで劣る日本が世界でどう戦うかという戦術を固める段階にきていたが、日本協会と強化方針で意見の食い違いがあったものと見られる。

 後任は大橋監督をコーチとして支え、U-19日本女子代表の監督でもある佐々木則夫氏(49)のほか、元日本女子代表で女性で初のS級ライセンスを取得した岡山湯郷Belle監督の本田美登里氏(42)らが候補になると思われる。

 来年8月の北京五輪まで9カ月に迫った時期での指揮官の退任発覚。来年2月には東アジア女子選手権(中国)を控えており、早急な新体制固めが必要となる。北京に向けて順調と思われたなでしこジャパンが一転、窮地に陥った。

 ◆大橋 浩司(おおはし・ひろし)1959年(昭34)10月27日、三重県伊勢市生まれ。県立名張桔梗丘高出身。大体大では全日本大学選手権ベスト8。82年から三重県内の中学4校で体育教師を務め、トレセンコーチとしても活動。00年から日本協会入りした。02年アジア大会日本女子代表コーチ、04年は新潟シンガポールの監督を務めた。趣味はスキーとドライブ。血液型A。

私は大橋氏をまったく評価していませんからこの流れは歓迎ですし、むしろW杯直後に辞めてりゃー良かったのにね・・・、とさえ思います。女子代表監督を海外で働いた人の再就職口ではなく、もっと真剣に考えるいい機会でしょ。