フッキじゃなくてジュニーニョ


 サッカーJ1の昨季得点王に輝いた川崎のブラジル人FWジュニーニョ(30)が日本国籍取得の意思があることが10日、明らかになった。日本サッカー協会関係者によると、すでに水面下で国籍取得条件の調査を進めており、本人も東京V戦(9日)後、スポーツ報知の取材に対し、事実を認めた。早ければ今週中にも帰化申請を行う予定。実現すれば、2010年南アフリカW杯を目指す日本代表のエースとなることは確実だ。

 日本サッカー界を揺るがす動きが水面下で進んでいた。来日して6年目を迎えるブラジル人ストライカー、ジュニーニョ日本国籍の取得を目指していることが明らかになった。9日の東京V戦後、等々力競技場で本紙の取材に対し、その事実を認めた。

 「僕は日本で成功することができ、家族を支えることができた。日本、フロンターレ、そして僕を日本に連れてきてくれた代理人のテオにはすごく感謝している。僕は日本がすごく気に入っているし、ずっと住みたいと思うようになった。日本人になれば、その夢もかなう」

 J史上最強の助っ人といっても過言ではないジュニーニョのコメントは衝撃的だ。川崎の強化担当者が2002年11月のパルメイラスコリンチャンス戦を観戦。本来は他選手をターゲットとした視察だったが、パルメイラスの2列目でプレーしていたジュニーニョのプレーに目をつけた。03年の入団以来、J1、2などの全公式戦で207戦148点という驚異的な成績を記録。1試合平均の得点率は実に0.7点を超えており、どの外国人選手よりもハイペースだ。

 ジュニーニョ帰化が実現すれば、日本サッカー界に与える影響は計り知れない。今年から南アフリカW杯のアジア予選がスタートし、岡田ジャパンは現在、アジア3次予選の真っ最中。国籍取得の認可が下りるまで通常、6か月以上を要するが、順調にいけば、9月から始まるW杯アジア最終予選の途中には間に合う可能性もある。ジュニーニョが日本人となれば、岡田武史監督(51)が招集することは確実。ブラジルでは1996年のU-20代表への招集歴があるが、出場した4戦はいずれも親善試合。世界大会(予選を含む)ではないためFIFAの規定には抵触しない。決定力不足にあえぐ日本代表にとっても朗報となる。

 日本が好きなことから昨年中から国籍取得を熱望していたジュニーニョは、取得条件となる5年以上の居住を満たした今年、本格的に動き出した。早ければ、今週中にも帰化申請を行う見通し。本人は日本代表に関して、「もし国籍が取れて、日本代表の監督が望んでくれるなら、プレーしたい。そうすれば、川崎、そして日本のサポーターに恩返しにもなる」と熱く語っている。

 ◆ジュニーニョ(本名・カルロス・アルベルト・カルヴァリョ・ドス・アンジョス・ジュニオール)1977年9月15日、ブラジル・バイーア州生まれ。30歳。8歳からサッカーを始め17歳の時ECバイーアでプロデビュー。02年のパルメイラス時代に川崎のスカウトの目にとまり、03年に来日。爆発的なスピードとシュート力を武器に04年にJ2得点王。昨年J1得点王。家族は妻と息子2人。174センチ、60キロ。血液型O。日本語での会話可能。

ずーっと川崎で頑張って欲しい、ヨーロッパにだって行くチャンスはあったのに川崎に残ってくれたジュニだから。