大神プロ


 バスケットボールの米女子プロリーグ、WNBA昨季覇者のマーキュリーのキャンプに参加していた大神雄子(25)が開幕前日の16日に発表された最終登録メンバー12人入りを果たした。1997、98年にマーキュリーでプレーした萩原美樹子以来2人目のWNBA日本選手となった。

 大神の背番号は「1」。懸念されていたビザの変更手続きも間に合い、17日に米アリゾナ州フェニックスの本拠地で行われるスパークスとの開幕戦出場も可能となった。大神は「まだスタートラインだけど、自分が目標としていたWNBA入りができて、すごく興奮している」と話した。

 身長170センチながら抜群の得点力と機動力を誇る大神は、愛知・桜花学園高から2001年にジャパンエナジー(現JOMO)入り、07年9月に日本の女子選手として初のプロ契約選手となった。日本代表では04年アテネ五輪に出場、北京五輪最終予選(6月・マドリード)でも司令塔として期待がかかる。(共同)

 WNBA参戦で、日本代表で司令塔を務める大神は個人的な技術の向上を見込める。精神面でも鍛えられるだろう。6月9日に始まる北京五輪最終予選(マドリード)はWNBAとともに、周囲の期待に応える格好の舞台となりそうだ。

 170センチの大神はこれまで、大柄な選手にマークされた際に突破力を失う場面が目を引いた。強い当たりが日常的な米国でもまれることは、課題克服の絶好機となる。

 五輪切符を目指す日本で、大神は10日間の1次合宿に参加しただけで渡米した。体格面で劣る日本は生命線として組織連係を掲げるが、攻撃の起点となる大神を抜きにシステムの構築や改良を強いられた。合流は遅れることになり、大神も「迷惑をかける」と認めた。

 ただ、代表編成は大神も出場した昨年のアジア選手権組を基にする。浜口(アイシンAW)らの復帰組もアテネ五輪で同僚だっただけに、短期間で息を合わせるのは不可能な作業ではない。日本代表の内海監督は「日本のマイナスには決してならない」と指摘した。

大神雄子
 「すごい選手たちと同じユニホームを着てできることに興奮している。ポジション争いを含め、これからが勝負だと思うので、チームの勝利を目指して、アグレッシブにいきたい」

◆内海知秀・バスケットボール日本女子代表監督(JOMO監督)
 「よく頑張った。機敏さと得点力が評価されたと思う。夢をつかんだが、生き残るために結果を出していくことが必要。経験を持ち帰り、日本のために生かしてほしい」


 目標としていたWNBA入りを果たした大神は、興奮を隠しきれない様子で、心境を語った。

 −−いまの気持ちは?
 「選手が次々とカットされていく中で残れたということで、安心感もあるが、それ以上にすごく興奮している」

 −−何が評価されたと思うか?
 「とにかくアグレッシブに押していく、チームのプレースタイルを練習から徹底できたのがよかった。生活面でもチームメートたちとなじめたのがよかったと思う」

 −−開幕戦に向けては
 「まだ右も左もわからないが、ルーキーだからこそできることもあると思う。まずは声を出して、思い切りいきたい」

 −−次はポジション争い
 「メンバーに残れたことで次の試練、次の課題が出てくると思う。すべてはこれからのプレー次第。しっかり気持ちを入れて、米国でのプレーを楽しみながら元気にやっていきたい」

 −−五輪最終予選にも弾みになった
 「五輪は自分にとってもうひとつの目標。代表に選ばれたら、ここでの経験を生かしたい。WNBA選手ということで、相手にも威圧感を与えられると思う」(共同)

まぁ、よかったんじゃない。