強かったね


 日本競馬史上初となる白毛馬の重賞制覇が記録ずくめの快走で達成された。公営・南関東牝馬3冠最終戦「第44回関東オークス」(交流G2)が18日、川崎競馬場で行われ、武豊騎手(39)騎乗のユキチャンが圧勝。2着に8馬身の着差も2分14秒7の勝ち時計もダート2100メートルで施行された98年以降の新記録となった。売り上げも同レースのレコードを塗り替え、川崎ナイターは白毛フィーバーに包まれた。

 競馬の歴史に新たなページを刻んだVは美しく、そして衝撃的だった。先頭を走るユキチャンが3コーナーで後続を離し始めると、偉業の予感にスタンドがどよめく。直線を向いても脚色は全く衰えず、後続との差がさらに広がった。最後は武豊が手綱を抑えて8馬身差のゴール。「注目されて緊張したけど強い姿を見せられてホッとした。可愛いだけじゃない」。天才ジョッキーも興奮気味に称える圧巻の強さだ。

 「イメージとは違い、凄くパワフルで抑えるのが大変」と武豊が振り返った通り、ゴール後もなかなか止まらず1周して再びスタンド前へ。結果的にウイニングランの形になり、スタンドは中央G1並みの大歓声。「返し馬でダートの走りが凄く良かったので期待が膨らんだ。1周目のスタンド前で少し力んだけど、先頭に立ってからは気分良く走れた。父のクロフネに似ている走りで、早めに動いた方がいいと思った」と武豊。初騎乗ですぐに特徴をつかみ、結果を出した。

 「厚かましいと思われるかもしれないが絶対に勝つと思っていた」と胸を張ったのは金子真人オーナー。母シラユキヒメ、兄シロクンも管理した後藤師は「兄ホワイトベッセル安田隆厩舎)が3勝したし、ウチもこの血統で勝てないと格好がつかないからね」と照れくさそうに笑った。今後について問われると「全く未定。成長を促す使い方をしてあげないと」と口元を引き締めたが、交流G1ジャパンダートダービー(7月9日、大井ダート2000メートル)に出走する可能性もある。「これからも活躍できる馬」と武豊。人気と実力を兼ね備えた“異色”のニューヒロイン誕生。どこまで強くなるか大きく夢が広がった。

次はサトルの実況でJDDを見たいですね。