改めてオメ


 J1第27節第1日、川崎Fが柏を5-2で沈め、4戦ぶりの勝利で優勝争いに生き残った。開始21秒にFW鄭大世チョン・テセ)が決めた先制点を皮切りにゴールを量産。37分にはMF中村憲剛(27)がFKを直接決めるなど1得点1アシストと活躍し、25日に誕生したばかりの長男へ祝砲を贈った。また首位の大分はアウェーで横浜に0-1でリーグ14試合ぶりの黒星を喫し、公式戦の連続不敗記録は17試合でストップした。

 父親になった中村の勢いは誰にも止められなかった。2-0で迎えた前半37分のFK。MF中村が右足で蹴ったボールは鮮やかに左隅へ突き刺さった。5月3日の鹿島戦以来、17試合ぶりのゴールを決めるとベンチ前でゆりかごポーズ。「ボールをセットしている時から入るかなという感じがしていた。親孝行な子供です」と25日に誕生した長男へ贈るゴールに笑顔がはじけた。試合後は「子供に会いに行くんで」と午後10時までの面会時間に間に合うよう慌ただしく会場を後にした。

 試合前日は練習後に都内の病院へ駆けつけてから再びチームに合流。「パワーをもらった」と並々ならぬ闘志でピッチに立った。そして開始21秒で先制点を演出。「狙っていた」と柏DFの裏に正確なロングボールを蹴り、1度も相手にボールを触らせないまま鄭大世が左足でゴールを決めた。

 フィールドプレーヤー10人で祝福のポーズをすると、前半の4得点の場面すべてでチームメートに自ら率先してゆりかごポーズを強要。2得点した鄭大世は「何人子供が生まれたんですか?」と苦笑いしたが、当の本人は試合後にもサポーターの「憲剛コール」に対しゆりかごポーズで応える親バカぶりだった。

 8月28日の新潟戦を最後に2分け1敗と3試合勝ち星なし。右太腿裏肉離れから復帰したDF寺田、FWレナチーニョの初先発起用で流れは変わり、4戦ぶりの勝利で一度は厳しくなった優勝へのチャンスを再び取り戻した。次節は勝ち点3差で上位にいる大分との直接対決。父親になって、また一段と頼もしくなったゲームキャプテンがいれば初タイトルも夢ではない。