メモ


 「第23回根岸S」が1日、東京競馬場で行われ、フェラーリピサが直線力強く抜け出して優勝。エルムSに続く連勝で、フェブラリーS(22日)へ前進した。 【根岸S

 愛馬を出迎えた白井師は、驚きと安どが入り交じった表情を浮かべた。苦難を乗り越えた末のフェラーリピサの勝利。「正直、半信半疑だった。立て直すのに必死だったが、よく厩務員らが頑張ってくれた」。形の上では連勝だが、陣営にとっては復活の1勝だった。

 エルムSを快勝した直後の昨年9月下旬。順調に出世街道を歩んでいたフェラーリピサを突如として奇病が襲った。顔面神経痛(マヒ)。「非常にまれな病気」(JRA)で原因も特定されていないため、確かな治療法もない病気だ。同馬は顔面右側がマヒし、カイバもオケからこぼす状態。視界がしっかり確保できているかをチェックするなど細心の注意を払っての調整となった。

 これが「半疑」の理由だが、一方で師は「半信」も捨てていなかった。「追い切りにまたがった岩田騎手も“だいぶしっかりしてきた”と言っていた。それに、この距離のレコードホルダーということもあった」。脚抜きのいい重馬場で時計勝負。レコードホルダーの肩書はダテではなかった。道中は3番手の外でレースを進め、直線半ばでゴーサイン。粘るセントラルコーストをかわすと、ヒシカツリーダーの追い込みを首差で抑えた。勝ち時計は自らが昨年5月の欅Sで樹立したコースレコード(1分21秒9)に0秒2差まで迫る1分22秒1。岩田は「ゲートが決まって楽だった。向正面では掛かり気味になったが、すぐに折り合いがついた。勝負どころでの手応えは抜群だった」と目を細めた。

 次走は、もちろんフェブラリーS根岸S、本番の連勝がなれば、同じ白井厩舎所属の05年メイショウボーラー以来4年ぶり。こちらはストレス性胃かいようを克服してダート界の頂点に立った。白井師は「今年は(相手が)強いよ」と控えめだが、時計の裏付けがある上に、これで6戦連続連対と安定感も抜群だ。顔面神経痛の影響は今も口に少し残っているというが「これでよみがえってくれれば」と師は期待を込めた。試練を乗り越えた先に、栄光のゴールが待っているかもしれない。

 ▼フェラーリピサ 父タッチゴールド 母ドリータルボ(母の父カポウティ)牡5歳 栗東・白井厩舎所属 馬主・市川義美氏 生産者・米サラムファーム 戦績19戦7勝 総獲得賞金2億4264万円。主な勝ち鞍は07年兵庫チャンピオンシップ、08年エルムS

流石に大駒が揃う本番は無理だとは思いますけどね・・・。