何処へ向かっているのやら


 2004年アテネ五輪自転車競技、チームスプリントの銀メダリストで競輪選手の長塚智広(30)が、8月中にも投開票が行われる茨城県知事選への出馬を本格検討していることが20日、分かった。走りの実力は世界レベル、株知識もプロ顔負けというマルチな才能を持つ男は、茨城県の未来に不安を抱き立候補の意志を固めたもよう。「正式出馬」となれば台風の目以上の存在となりそうだ。

 保守系現職と自民党推薦候補による保守分裂選挙の様相を呈していた茨城県知事選に、自転車競技の五輪メダリスト「長塚智広」の名前が急浮上した。

 長塚は20日サンケイスポーツの取材に民主党からの出馬の打診があったことを認めた上で、「検討中です」とだけコメントした。ただ、周辺によると、「県政に魂のジャンを打ち鳴らす」気持ちは固まっており、出馬の場合は民主党の支援は受けない「無所属」となる方向だ。

 「茨城は本当にすばらしい環境の土地だと思っているんです。しかし、県の財政面は素人目に見ても明らかにおかしい」

 5選を目指す現職の橋本昌知事(63)が就任した頃の県債の残高は5000億円だったが、現在は1兆8000億円にまで膨れあがった。

 「そうした財政を支えてきたのは自民党政権」と指摘する長塚は、2歳長男、7カ月長女の父として、茨城の未来を不安視する。「いまのままだと、子供は借金を背負って生まれてきたことになるんです。この状況は絶対によくありません」と16年に及ぶ橋本県政に「NO」を突き付けた。

 長塚の多芸多才は広く知られる。株の知識はプロ顔負け。硬派の経済番組に出演した回数も多く、時には解説者顔負けの見解を披露してきた。そのかたわらで企業経営に携わったこともある。政財界との交流も深く、競輪関係者からも「あいつなら打診があるのも分かる」という声が出るほどだ。

 いまのところ、茨城県知事選には橋本氏と自民党が推薦する元国土交通省次官、小幡政人氏(64)らが立候補を表明している。連合や、自民党と決別した県医師会が推すのは橋本氏だが、知名度抜群で郷土のヒーロー、長塚が立てば今度は“金メダル”、全国最年少の知事が誕生する可能性も十分にありそうだ。

長塚君は多才だからやったらやれちゃいそうな気もしますが・・・。