メモ


 経営再建中の日本航空が、主力銀行に2500億円超の債権放棄を要請することを柱にした新たな経営再建計画案を策定し、政府や主力銀行と調整に入ったことが13日、明らかになった。新計画案では公的資金と民間出資とで約1500億円の資本増強を実施、人員削減も従来計画の6800人から9000人超に拡大する。経営責任を明確にするため西松遥社長(61)は退任する。

 日航は10月中に、前原誠司国土交通相の正式な承認を得た上で、11月中に主力銀行との債権放棄や増資交渉をまとめる構え。新計画案は、国交相直轄の専門家チーム「JAL再生タスクフォース」の助言を得て策定した。交渉が決裂した場合は法的整理への移行も視野に入れる。

 米デルタ航空など外資との資本提携交渉は当面、棚上げする。

 公的資金は、改正産業活力再生特別措置法に基づく投入を検討している。新計画案は、政府主導で財務の改善を急ぐ一方、関係者の理解を得るため従来よりリストラを大幅に上積みした。債権放棄2500億円超のうち数百億円分は債務の株式化で実施する方針だ。

 経営陣の刷新では、西松社長が退任し、来年1月をめどに、最高経営責任者(CEO)を外部から招き、最高執行責任者(COO)は日航内部から40代の社員を昇格させる方向で調整する。

 西松社長に代わる経営トップについては「自民党政権時代に元運輸事務次官成田国際空港特別顧問、黒野匡彦氏の名前が浮上していたが、民主党政権では別の人物をあてることになるだろう」(国交省関係者)。

 また、COOについては「社内から40代の若手を起用するというのは、JAL再生タスクフォースで作業統括を務める冨山和彦氏の持論。冨山氏に腹案があるのだろう」(同)という。

 焦点の退職者の企業年金では、支払額を大幅にカットすることで企業年金関連債務を現在の約3300億円から1000億円に圧縮する。資金繰りの円滑化のため主力銀行には政府保証分も含めて3000億円超の新規融資を要請する方向だ。

 路線については、従来計画では不採算の国内29路線、海外21路線を廃止する方向だったが、採算を確保できる目算が立ったとして海外の5路線前後を復活させる方向だ。国内線は新たな見直しに踏み込んでいない。

あくまで夕刊フジなのでメモ程度。