監督・2つのかたち(バスケ編)

こちらで内海を代表育成型*1に分類したのかというと日本が国際舞台で戦う際に『高さ』との戦いがあり日本としては『平面バスケ』と称してコートを大きく使ってバックコートからプレッシャーをかけ、高さは無いが速さで戦うと言う選択肢しかない為に代表12名中8名がJOMOの選手ではあるのですが*2、リーグと代表ではやるバスケが違ってくるのでまずはビジョンありきと判断しました。*3
ただインサイドでは戦えないと言うハッキリとした事が戦前からわかっているのに、ゾーンディフェンスとかを積極的にやらない理由はなんだろうという疑問が湧くんですよね・・・、メンバー固定して連携の熟成を高めるって言ってるのに・・・。

そして以前にも書いたが合宿等でうちの薮内・矢代に対して点はJOMOと永田で取るからといってシュート練習をさせないという素敵な仕打ちをする訳です。テストマッチなどで試合前のアップの際に確かにうちの2人はダッシュにはかなりの時間を割くのですが、ボールを持つ時間がかなり少ないという感じがあって不思議だったのですが、このからくりを聞いて行動の辻褄は合いましたが監督に対する殺意がふつふつと湧き上がりました。


というわけで内海知秀が抱えた問題点の再確認
1.メンバー選考
アテネ予選の権利を取った時点でアテネのメンバーは替えない事を明言し競争を無くした。例えばPGで相澤優子インサイドでは山田久美子河恩珠というリーグでも充分戦っているメンバーをその時点での代表12人の連携を熟成に費やすと言う理由で無条件に排除したこと。その結果が例え開催国でどアウェイだったとは言え格下ギリシャ相手に打った博打*4が成功したにも関わらず2点差で敗れ決勝T進出を逃したのである。

PGは確かにメインの楠田と相澤はタイプ的に似ているからなのかもしれないが、サブのPGが仙台の権利獲りで結果を出した薮内夏美でなく、得点能力は高いもののPGとしての能力を正直疑問視される大神雄子だった。それであれば経験豊富な相澤で何の問題も無いと思われる。それも相澤を落した理由が相澤自身の個性の強さ*5と言うことらしいのでそれはその個性を扱えいきれないと感じた内海の器の問題でしかない。選手の能力としては現に5月の壮行試合ではWリーグ選抜という1週間程度の急造チームのPGとして長い事合宿をしていた代表チームにかなりイタイ目を見せた事を考えても間違い無く代表に呼ぶべき選手であったといえよう。

さらにインサイドに関しては山田190cm、河200cmと明らかにメリットとして高さがアピールできるにも関わらずである。確かに山田には動きにかなり問題を抱えている事は否定できないが、矢代直美川畑宏美といった監督自身が使い方を明らかに困っている選手をベンチに放置している状態であれば、山田や河をベンチに入れてパートタイム起用をしていけばメリットが充分にあるはずである。
ただ、河に関してはどうも帰化そのものの理由があくまでWリーグでプレーする為だけで、どうも日本代表としてやる意思は無いんじゃないかと思っています。*6そう言う意味では河の件に関してのみは内海氏を一概に責められない部分はある。


2.勝負処の見極め
今回の予選リーグは組み分けから恵まれていて、格下のナイジェリア・ギリシャを叩けば例え格上のブラジル・オーストラリア・ロシアに例え負けても決勝T進出が可能であった*7はずであるが・・・。4月からの遠征でどの程度その2チーム用の対策をしていたか?
ロシアやブラジルと言うところを想定する試合はリトアニア・スペイン遠征、そして国内の壮行試合のブルガリア戦でしていたようだが・・・、果たして必ず勝たないと行けないナイジェリアやギリシャ対策用の試合があったのだろうか?ベルギーやトルコがギリシャ対策だったのか?ナイジェリア対策用になぜアフリカのチームとテストマッチをしなかったのか?
そしてそのテストマッチの結果を見ているとどうもリトアニア遠征でロシアの1.5軍*8とそこそこの勝負をしてしまった為に勢いがついてしまいその近辺でチームとしてのピークが来てしまい、その後状態が落ち始めていたような・・・。
特に最後の国内壮行試合ブルガリア戦は相手が相当格下だった為3戦3勝であったが少し相手のランクが上がれば勝負の行方はわからずに、ここでも書いたのですがギリシャ相手に下手うつ可能性も充分あると思わせるくらい出来が悪かった。

さらにナイジェリアには勝ったのですが79-73という4Q残り1分までは勝負の行方がわからない大接戦、それに対しギリシャはナイジェリアに対しゾーンディフェンスで完勝、それも見た方の感想はナイジェリアはゾーンの対応法をわかっていないというものこういうことが戦前に判っていれば勝たなければいけない試合であんなヒヤヒヤものの試合をする必要は無かったはずである。*9


3.スカウティングの不備
チームの方針としてナイジェリア・ギリシャに勝って、あわよくば開幕戦で調子が出ない隙をついてブラジルを喰えたらラッキーと考えていたようだが、まず、ブラジルの力量を完全に見誤り五輪の最多点差の記録を更新する大敗を喫し、さらに現地で五輪に入ってからギリシャの試合を見ていたなごやんさんが書かれたギリシャ戦に向けてのスカウティングレポでピックアップした#9 Maltsi選手にキッチリやられてギリシャに負けて、その試合後の会見で内海が言い放った事

『これくらいの身長のチームならば、リバウンドを互角でなければいけませんでした。集中力はあったのですが、リバウンドに対する部分でもう少し粘りたかったです。ギリシャの#9をケアできずにインサイドでやられました。』

はぁ?である。
一般のファンがその場で見て注意を払うべきと感じた選手に当事者が無策でやられましたと言う始末。チームとしてどの程度ギリシャのデータがあってどんな指示が選手に対しあったのかが正直疑問である。
その挙句試合中カメラにぬかれる内海の顔はいつも虚ろで視点も定まらず間違い無く無策であることを表していた訳で・・・。誰がどう見ても戦うチームの指揮官であったとは言えない体たらくでした。


一晩考えてダラダラと書いてみたものの言いたい事のどれくらいが伝わるか不安になるくらい稚拙な自分の文章力が正直嫌になります・・・。ソフトに関しても何か書こうかと思いましたが・・・、正直きついんで、もうこちらにも判りやすいのが上がってますし、こちらできっちり総括されると思いますので私もそちらを期待してスルーさせていただきます。

  • [か]その無策のツケを選手に払わせた形になった引率者さんは、まだまだ代表監督というポジションがお好みのようですが?誰か止めてやるやつはおらんのか?と、バスケにまったく通じてない[か]が言うのもなんですが、常識で考えて、試合前に通り一遍の相手対策くらいは練れるでしょ?それができないとか、スタッフ任せにしている監督だったらいらないね。これはどのスポーツも共通。

*1:監督のビジョンありきでそれに合わせた選手を選考、代表チームにおける集中的な鍛錬が育成の場。

*2:残りはシャンソン2名、日本航空2名

*3:監督固有のビジョンではないですが

*4:2Pシュートより確実に成功率の落ちる3Pシュート頼み

*5:落選理由でチームの和がなんちゃらかんちゃらと言った。

*6:あくまで憶測ですがインタビューとか読んでもWNBAでプレーしたいと言う夢の話は出るが日本国籍を取ったにも関わらず何故か代表入りについて話が及ばないし、12月の時点で代表を辞退したがその後のAJ・リーグ戦・プレーオフには普通に出ているし、プレーが出来ない訳では無かった。日本に帰化した時点であの高さは武器になる事は判りきっていて当然代表に召集される事も予想の範囲内の事だから、ここでも書いたのですがもし日本代表に入るつもりが無いならば日本に帰化してまでシャンソンを腰掛にするのではなく桜花学園卒業後、直にアメリカに渡るのが筋だと思う。

*7:ただその場合決勝Tの相手はアメリカになり自動的にそこで終わる事になるのですが・・・。

*8:WNBA勢抜き

*9:まぁあくまで結果論ではあるのだが。